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台湾と日本の違い 後編 | 文化・習慣の異なる10つのコト(生活、文化編)

jill

前回の記事では、短期滞在や旅行で感じやすい、台湾と日本の違いをまとめました。
今回は、長期滞在してこそ深く感じられる文化の違いを5つに絞ってご紹介します。 それでは見てみましょう!

6. ゴミ捨てに関する違い

ゴミの捨て方について

台湾も日本もゴミをきちんと分別する立派な習慣があります。
日本のゴミ分別は大きく分けると、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「資源ゴミ」「粗大ゴミ」の4種類に分けられます。曜日ごとに捨てられるゴミが異なり、指定の曜日にゴミ捨て場に持ってくのが一般的です。
一方、台湾では「一般ごみ」「資源ごみ」「生ごみ」の3種類に分けられます。日本と同じく曜日ごとに捨てられるゴミが異なりますが、違うのはその捨て方です。
台湾ではゴミ収集車を待ち、自分で捨てるスタイルなのです!ごみ収集車は指定時間にぴったりくるわけではないので、来るタイミングまで待機しなければなりません。ゴミ収集車から流れる「エリーゼのために」が聞こえてきたら、全力で追いかけに行きましょう(笑)

公共のゴミ箱について

また、日本には公共のゴミ箱がほとんどなく、これも台湾人の私には馴染みのないことの一つでした。外出先や旅行先でちょっとしたゴミを捨てる際に、日本の観光地や人の多い場所で、ゴミ箱を見つけるのは困難です。
台湾では公共の場には必ずと言っていいほどゴミ箱があり、屋外の公園で歩いていても10分おきにゴミ箱を見かけます。しかし、観光客や周辺住民への配慮として設置されているものの、街の景観に影響を及ぼすのも事実です。清掃員によって頻繁にゴミ出しがされなければ、ゴミ箱の周辺は汚くなり、悪い印象を与えてしまいます。

7. 街並みの印象の違い

騎樓(チロウ)文化について

台湾は高温多湿で雨の多い気候のため、道路や路地には多くの「騎樓」が見られます。騎樓とは、2階より上の居住空間が道路側にせり出し、1階がアーケードになっている建物です。
歩行者にとっては雨や日差しをしのぐことができ、1階のお店にとってもお客さんを勧誘するのに適しています。しかし、騎樓は私有地であるため、持ち主の私物が置かれ歩道のスペースが圧迫されていることが多いです。
対して、日本では騎樓のような建物はほとんど見られず、日陰や雨よけは少ないものの、通り全体はずっと広々として歩きやすい印象です。

門牌号碼(モンパィーハウーマ)について

日本にしばらく住んでみて、建物の外壁に「門牌号碼」がないことに驚きました!
門牌号碼とは、住所が記載された街区表示板です。台湾人にとって、門牌号碼は道を探すための重要な基準となり、各住宅には規則に従って番号が振られています。
建物を探す時は、道路の両側にある門牌号碼の奇数の番号、偶数の番号の表札に従うことになります。例えば、見慣れない道に行って、左側(東側)の番号が奇数の番号だとすると、反対側(西側)の建物は偶数でなければならず、それが順番に並んでいます。だから、行ったことのない場所に行きたいとき、住所と門牌号碼さえ分かれば、すぐに正確な場所を見つけることができるのです。
しかし、日本の住宅には決まった境界や命名規則がありません。住所よりも建物の名前で場所を探す方が簡単なのです。門牌号碼がないことを知ったときは戸惑い、思わず郵便局員さんに「どうやって配達しているんですか?」と聞いてしまいました(笑)
台湾の道路の豆知識 Part.1

野良犬・野良猫について

Photo Credit: Nicola Smith Twitter

もうひとつ、日本に長く住んでわかったことは、野良犬がいないことです!
野良猫はよく見かけますが、私が日本に住んでいたころは野良犬を見たことがありません。日本の友人に聞いて初めてわかったのですが、日本では狂犬病予防のため、予防接種を受けていない犬は積極的に保護されています。また、飼育するには厳しいルールがあり、捨てられたらすぐに連絡が来るのだそうです。
しかし、猫は特に理由もなく咬んだり攻撃したりすることが少ないため、規制の対象にはなりにくいそうです。
台湾では野良犬や野良猫が非常に多いため、購入ではなく譲渡が推奨されています。しかし、野良猫は繁殖を続ける一方です。
私は日本で野良犬がいないことに驚きましたが、台湾に行ったことのある日本の友人たちは、ペットの犬たちと共にバイクに乗って出かけることの方に驚いています(笑)

8. 結婚後の考え方の違い

親と同居について

友人が日本で結婚して、初めて結婚に対する考え方の違いに気づきました。
台湾人の女性は、結婚後に男性の家族と一緒に暮らすという考え方が多いので、相手の家族との付き合い方を心配しているようです。結婚すると女性は男性の家族の一員としてみなされ、夫と一緒に義理の家族に仕えるのが親孝行になります。台湾の年配の人たちは、年をとったときに面倒を見てくれる人がいるように、息子がいたほうが良いと思っているのです。
日本では、結婚したら義理の親と同居しなければならないという認識はなく、ほとんどの日本人が留学や就職で地元を離れて他県に行くので、結婚後も別々に暮らすことになるのだそうです。日本の家庭の多くは「自分のことは自分でできるのが素晴らしい」という考えなので、同居する必要がなく、あえて別居という形で結婚生活を送る夫婦もいます。これは台湾人の女性なら「羨ましい」と感じることでしょう。

9. 生活リズムの違い

日本の礼儀作法は、重要な場面や人と接する時だけでなく、社会全体、文化、日常生活に溶け込んでいることがわかりました。
日本に住んでいる間、買い物や食事、仕事をする時間は決まっていて、とても計画的で規律正しい毎日を過ごしていると感じました。すべての会社や団体、そして人手を必要としないATMにも営業時間があり、時間外に利用すると高いお金を払わなければなりません。日本は、台湾に比べて人が寝静まるのが早いように思います。
台湾では深夜営業を特徴とする飲食店も多く、夜型の人は夜中に出かけて、温かいラーメンや滷肉飯(ルーローハン)を食べることができます。近年では、野菜や果物を配送サービスで注文することが多くなりました。ネットで注文をすると、農家さんが朝一に収穫し、夕方にはトラックで配達してくれます。午前中に買い物にいけないオフィスワーカーでも、新鮮な食品を購入することができます。
台湾での生活は非常に柔軟性があり、営業時間に縛られることなく、自分のリズムで生活できる印象です。

※夜間配送の対応、日本への配送は行なっておりません。

10. お風呂の文化の違い

日本人はお風呂好きが多いですよね。日本に来てから、お風呂に浸かる習慣に少しずつ影響されて、私も大好きになりました!
私の住んでいた家には浴槽がないので、友人と近くの銭湯に入りに行きました。初めて銭湯に足を踏み入れた時は、人と一緒にお風呂に入ることに少し抵抗がありましたが、一度体験してみると、考えすぎていたことに気づきました。お風呂に浸かった後は、みんな心と体をリラックスさせることに集中していました。
台湾人の多くは、子供の頃からお風呂に浸かる習慣がないのです。高温多湿な気候のため、お湯につかることを想像しただけで暑苦しく感じる人が多いことに加え、台湾では子供の頃から節水の教育を受けているため、ほとんどの人がシャワーだけ浴びるのが普通でした。空間を広く使うために自宅にバスタブを設置する家庭も少ないです。
入浴の習慣がないため、台湾には銭湯がありません。
なので自宅に浴槽がなければ、旅行先でホテルに泊まるか、温泉や観光地に行く時にしかお風呂を楽しめません。

まとめ

2回に渡って紹介したこの記事は、私が日本でしばらく生活した後、台湾に戻ってから記録した興味深い10の違いです。
それぞれの違いは、長い時間をかけて社会的習慣が蓄積されたものであり、その背景には何らかの物語や文化の影響があります。なので短期間で習慣に慣れることは非常に難しいです。
しかし、違う国に長く住んで、その違いを実感する機会があるのはとても面白いことです。
お互いの国の違いを知っていくと、旅行中の楽しみが増えるかもしれませんね!

jill

台湾台中出身のJillです。京都で一年間のワーホリ経験があります。台湾に帰ってからは台湾の面白いことをたくさん日本に発信したい思って活動しています!よろしくお願いいたします!

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