日本では、神社にお参りするときに5円を投げて「ご縁がありますように」と願いますよね。他にも面白い験担ぎや迷信はたくさんあると思います。
台湾にもお寺でお香を焚いて神様を拝む時の習慣があったり、日常生活にも迷信やタブーがあり、都市伝説も多く存在します。今回はそんな中から、生活の中での面白い迷信やタブー10選を紹介します。
台湾に住みたい、留学したいと思っている方は、これから紹介する迷信を覚えておくと、台湾の生活により早く馴染めると思いますよ。
記事の最後には、台湾と日本で共通する迷信も紹介します。
台湾迷信10選
#1 夜に口笛を吹くとお化けが来る
この迷信は、日本が台湾を統治していた頃、軍が台湾人を管理するために作った都市伝説が起源と言われています。
夜中に口笛を吹くと、日本兵がメッセージを送るのに影響を与えるので、信心深い台湾の人々の為に、夜中に口笛を吹くと幽霊が出るという迷信を作り出したそうです。
#2 月を指差すと耳を切られる
子供の頃、月に指を指してはいけない、指差すと翌日起きた時に月の女神に耳を切られる、と言われたことがあります。
怖い迷信のようですが、台湾では、他人を指差すことは失礼にあたことと、月が月母を表すという古い伝統があり、人々は月母を尊敬し崇拝しているので、この迷信が生まれたのだと思います。また、小児科医の中には、「耳かき」をするのはアトピー性皮膚炎や湿疹の一種であると言う人もいます。
私は子供の頃、月を指差した翌日耳に傷ができたことがあり、それ以来その傷が月と関係ないとわかっていても、月を指差さないようにしています。
#3 右のまぶたが痙攣すると凶、左だと吉
台湾では左まぶたが痙攣すると幸運が訪れると言われています。逆に右だと悪いことが起こると言われています。ただ、これは時間帯によっては内容が変わるみたいです。
この迷信は健康と密接に関係しているので、ほとんどの人はもう信じていません。 医学の進歩に伴い、まぶたが痙攣するときは、まず眼科を受診するという意識が浸透してきました。そりゃそうですよね…。
#4 犬の糞をふむと運気アップ。宝くじを買いに行きます。
「狗屎運(犬の糞運)」という言葉は昔、糞は農業に必要な肥料であり、肥料はお金になるものだったからという説があります。 特に、犬は豚や羊、牛に比べて清潔な動物なので、道ばたで犬の糞を見かける確率はそれほど高くありませんでした。
このような背景から、犬の糞を踏むことが徐々に金運の象徴になりました。
この言葉には実は悪い意味もあり、本当の幸運ではなく、予期せぬお金のことを指すのが普通です。 予期せぬお金とは、つまり宝くじのようなギャンブル性の高いものだとされています。
さらに鳥の糞に当たったら、もっと確率が低いことなので、自分にはプラスのオーラがあると信じます。宝くじの当選確率と同じくらい低いので、プラスオーラのある自分が宝くじを買うと当選するのでは?と考えます。
この迷信は、不意の事故でネガティブな感情を早く忘れることにもつながります。 この迷信があることで、多くの人がより前向きに、希望を持ってこれらの出来事を乗り越えられると考えられています。
#5 室内で傘をさしたら財産がなくなる
中国語の傘の発音は「散(sanˇ)」と同じ発音です。中国語でも台湾語でも「sanˇ」と同じ発音になります。そのため、お金がなくなる「散財」という言葉を想起させます。
また、普通は家の中で傘はささないので、屋根が破れて雨漏りしていることが想起され、家庭運が悪いことになってしまいます。
また、室内で傘をさすと背が伸びないという説もありますが、これは全く根拠がなく、子供を怖がらせるための迷信みたいです。
#6 赤ペンで人の名前を書くと呪われるそうです
昔、囚人が死刑を宣告されるとき、告知文書に鶏の血で名前を書いたと言われており、その後も死刑囚の名前は赤で書かれていました。
これも私が子供の頃から聞いていたタブーで、台湾では赤字で書かれた人の名前はあまり見かけません。この迷信は、たとえ法律がなくても皆が自然に従うルールになっています。
#7 赤い下着をつけると運がよくなる
台湾では、赤い色は幸運をもたらす、喜びをもたらす、魔除けの色として広く信じられています。 こうした縁起物は、科学的に研究されたもので、心に作用して、物事をスムーズに進めることができると言われています。 そのため、台湾では今でも友人と麻雀をするときに赤い下着を身につける人が多いそうです。
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#8 箸の上の方をもつ女性は、嫁ぎ先が遠方になる
この迷信は心理学的には、低い位置で箸を握っている人は安心できないので、安定した生活を選び、高い位置で箸を握っている人は俯瞰的に物事を見る考えの持ち主で、街に出て新しいものを見たり試したりしようとするので、相手を選ぶ際に地域にとらわれず、地元から遠く離れた相手にも出会える可能性が高くなると言われています。
台湾ではこの話を信じている人が結構いて、あるネットユーザーは「子供の頃から20年間箸を持たなかった」「相手がフランス人だったので笑われた時に思いだした」と共感していました(笑)。
#9 末尾に9が付く年齢の誕生日はお祝いしないように
「逢九必衰」というのは、末尾に9という数字があると、その年一年の運勢が悪くなるという意味です。台湾では古くから風水を信じる人が多く、9は数字の中で一番大きい数字であり、自然界のものが最大になると物事が逆になると信じています。そのため、9は運勢が最も良いときに不運の象徴となり、末尾に9のつく誕生日が徐々に不吉になっていきました。
年齢の末尾に9がつくと、控えめに誕生日を祝い、発言に気をつけ、9の年を穏やかに過ごすことで、次の9までの年に幸運が訪れると考える人も多いようです。
#10 友達に時計をプレゼントすることは禁止です。
台湾では時計を意味する「鐘(Zhōng)」と「終(Zhōng)」の発音が同じなので、時計を送る「送鐘」は死んだ人を送る「送終」と同じ発音になってしまい、死を連想させてしまうのです。腕時計も時計の一種ですから、プレゼントとしてはNGです。
また、恋人に靴を送るのも良くないです。台湾の発音では「靴」も「邪」も「Xié」なので、邪気を与えることで関係がどんどん悪くなり、やがて連絡が取れなくなったり、別れてしまう可能性があるとされています。
だから、台湾の友人にプレゼントを贈るなら、靴や時計は避けたほうがいいですよ。
でも、今の若い人たちは、そんな迷信を信じていない人が多いので、お互いに気持ちを伝え合えば、きっとあまり気にしないはずです。
台湾と日本で共通の迷信
#1 流れ星に願い事をすると願いが叶う!?
この迷信はどこの国にもあるみたいですが、その由来はそれぞれ異なります。 実際に願いが叶ったケースもたくさんあるみたいですよ。
台湾にも流れ星を見たら、消える前に願い事を3回唱えると、願いが叶うという迷信があります。
日本でも同じ迷信があると聞いたことがありますが、台湾に比べると、日本はすでに具体的な目標や達成したいことがあり、願い事をした後にその目標に向かって進み続けることができれば、願い事が叶う可能性が高まるという傾向があるようですね。
ただでさえ流星は珍しいのに、短時間で3回も願い事をするのは困難だと私は思います。 こんな短い時間で願い事をするのだから、本当にその目標を達成したいのだろうと思います。
私は、流れ星の前で3回願い事を唱えることはまだできていません(笑)。
#2 手のひらに人という字を書いて飲み込む
台湾では日本の漫画やアニメ、ドラマ、映画などを好んで見る人が多く、この迷信は日本から伝わったと言われています。
子供の頃、主人公が舞台に上がる前の緊張している時にやっているのを見た記憶があります。
だから、自然と身についたのだと思います。
日本人がこの行動をするのは、手のひらの中央に「勞宮穴」という、精神を安定させるツボがあるからだと言われているそうです。
怒っているとき、緊張しているとき、不安なとき、自然と手を握りしめて、このツボを刺激すると少し落ち着くことができます。
というわけで、もし落ち着かないことがあったら、手に人という字を書いて飲み込んでみてください!
迷信よりも、自分に自信を持つことが大切だと思いますけどね。
まとめ
台湾の迷信はどうでしたか?大げさだと思われた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ほとんどの迷信は科学的な根拠がないものですが、歴史の中で蓄積された経験やルールは、説明できなくても生活に影響を与えています。これが迷信の面白いところです。 もちろん、上に挙げた迷信はどれも台湾で広く認識されているものであり、あくまで参考程度に考えていただければと思いますので、過度に信じる必要はありませんよ。