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台湾人の旧正月の過ごし方 | 春節の風習と伝統

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台湾人にとって一年で最も重要な祝日は旧正月と呼ばれている「春節」です。
春節は中国のお正月とは異なり、実家に帰り家族と集うことが目的です。 仕事や生活の都合で家族が世界中に散らばっていても、春節には必ず故郷に帰り、最も重要な新年を祝うようにします。 もし、台湾人と一緒に年越しをする機会があれば、台湾人がどのように年越しをするのかを知っておくといいと思います。

春節の日程:旧暦の1月1日から15日

春節は旧暦の1月1日から始まり1月15日まで続きます。春節の時期は、中国の暦に合わせているので、毎年多少日程が異なりますが、大体1月末から2月中旬の間になります。

Photo by Humphrey Muleba on Wunderstock

春節の色:赤と金色

台湾人にとって、赤は喜びや幸運を表し、金はお金を表すため、この2つの色は新年の喜びと繁栄を願って、春節のさまざまな飾りに使われます。

Photo by Jason Leung on Unsplash

春節の伝統行事 | 舞龍舞獅

神話では、獅子は力強く獰猛で、龍は幸運と威厳の象徴とされており、台湾の寺院では柱や壁に獅子や龍の壁画や彫刻をよく見かけます。寺院だけでなく、裕福な家庭では庭の入り口の両脇に、お守りとして一対の石獅子を置いているところもあります。

「舞龍舞獅」は祖先や神々の加護を祈るために春節の時期に演じられ、幸運を象徴するにぎやかな伝統行事として発展してきました。近年では「舞龍舞獅」の芸術性を高めるため、徐々に競技化され、取り組む人が増えてきたので、ここ数年で台湾の街角や路地でよく見られる伝統芸能になりました。




Photo by Charles Chen on Unsplash

春節の伝統的な風習

除夕(旧暦12月31日)

年長者が祖先を敬い、子どもたちに赤い封筒を渡し、一年の平安を祈ります。

大年初一(旧暦1月1日)

旧暦の1月1日00:01に寺院の門が開かれます。皆は門の外で待っていて1番に神様にお線香をあげようとします。1番の争奪戦は非常に激しいため、途中で怪我をする人も多く、特別強い信仰心を持った人だけが参加しています。多くの人は起床後、新しい服を着てお寺に行き、新年の幸運を祈り、また親戚や友人の家を訪ねてからお参りをします。

注意事項:運気を一掃してしまうので、床掃除はしないでくださいね。

大年初二(旧暦1月2日)

旧暦の1月2日には、結婚した娘は夫や子どもを連れて、自分の実家に帰り、両親に挨拶をします。

注意事項:贈り物は奇数ではなく、偶数が縁起が良いです。

大年初四(旧暦1月4日)

厄年の人は旧暦1月4日にお参りをします。
台湾には「安太歲」という厄除けの儀式があり、日本では年男・年女は幸運とされますが、道教では厄年(犯太歲)にあたるため、春節に道教の廟で「安太歲」をしてもらいます。年男・年女は、一年間運が悪いので、それを解消する方法として、1月4日にお寺に行き、年神様にお参りをして、幸運を祈るのだそうです。

注意事項:遠出はしないでください。

大年初五(旧暦1月5日)

旧暦1月5日は「財神爺」という富の神の誕生日なので、ほとんどのお店や会社は縁起を担いで営業を開始します。

注意事項:旧正月5日までにゴミを出すことは禁じられており、そうしないと一年を通して貧乏になると言われています。

正月十五(旧暦1月15日)

年が明けて最初の満月の夜です。皆、団子を食べたり、ランタンショーを見たり、ランタンの謎解きクイズをしたりして祝います。また、各地でランタンやロケット花火などで祝福するお祭りが行われ、とても賑やかです。





Photo by James WILLIAMSON on Wunderstock

春節に欠かせない正月料理

大晦日には家族全員が家に集まり「年夜飯」という正月料理を食べます。それぞれの料理には縁起を担いだ意味があります。

水餃子

餃子は古代の金色の宝物の形に似ていることから、元旦に餃子を食べることは財産を食べるようなもので、幸運と祝福を意味します。

年糕、甜粿(甘いお餅)

甘い味(甜甜的味道)ともちもちとした食感(黏黏的口感)は、中国の同音異義語で幸福の意味を含む「甜甜好過年」になるそうです。

雞(鶏)

台湾では「雞(鶏)」と「家(家族)」は同じ発音で、鶏を食べることは「家庭を築く」「豊かな家庭」を意味し、それが丸鶏であれば家族の幸せを象徴しています。

魚もお正月には欠かせない料理です。中国語の「魚」は「餘(残る)」と同じ発音で、毎年富と幸福が増え、使い果たさないという意味があります。

火鍋

必ずしも火鍋でなくても、佛跳牆という高級スープでも、大雜燴という料理でもいいです。いろんな食材が入っている鍋料理には、家族みんながそこにいる、つまり団欒という意味が大きいからです。


Photo by Wan San Yip on Unsplash

春節の飾り付け

春節には、「春聯」と呼ばれる赤い紙に縁起の良い言葉を書き、ドアや窓などに貼って幸運を祈るなど、新年の喜びを表す装飾が各家庭で行われます。爆竹の音は災害防止に役立ち、提灯は新年の明るい雰囲気を演出し、さまざまな美しい赤い飾りも新年の縁起物として使われます。



Photo by Olivia Listyani on Unsplash

まとめ

台湾の新年の伝統的な習慣を紹介しましたが、実は春節の習慣は時代とともに変化しています。特にこの2年間は、コロナ流行の影響もあって、人が集まることは極力減らし、多くの寺院ではネットでのデジタル参拝を推進するようになったほどです。また、昔からのタブーやルールも、各家庭の事情により、守ることが厳しくなっていたりするので、緩くなっているものもあります。台湾の春節は、一年の苦労を忘れて故郷に帰り、家族や大切な友人と再会し、幸運を祈り、共に新年を迎える時期です。

jill

台湾台中出身のJillです。京都で一年間のワーホリ経験があります。台湾に帰ってからは台湾の面白いことをたくさん日本に発信したい思って活動しています!よろしくお願いいたします!

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