その土地の文化を理解するには、まず市場を訪れるといいと思います。
伝統的な市場は、地元の美味しい食べ物や人情味を感じることができます。
三民路と臺灣大道一段路口の交差点にある台中の市場、台中市公有第二零售市場 (簡稱第二市場)は、台中人の裏台所として知られています。 伝統的な市場の新鮮な野菜や魚、肉製品に加えて、子どもの頃の思い出が詰まった食料品やローカルフードの行列などが台中市公有第二零售市場には揃っているので、朝食から夕食まで食べることができます。
台中市公有第二零售市場は1917年に開設され、「新富町市場」と呼ばれ、さまざまな高級品を専門に扱っていました。
当時は、日本人や富裕層のための市場として、「日本人的市場」とも呼ばれていました。 この市場は100年以上にわたって台中市の発展を見守ってきました。また、市場内に建てられた武德宮廟は、コミュニティの信仰の中心として、近隣の人々の精神的な拠り所となっています。近年、台中市政府が修復したことで、現在の形になりました。
市場の多くは再建されていますが、市場の中心である「六角樓」はそのまま保存されています。台中市公有第二零售市場の内部は、台湾の他の伝統的な正方形の市場とは異なり、市場の中心には六角形のビルがあり、6つの通路が放射状に広がっていて、屋台をカテゴリー別に分けていることから、「六條通」と呼ばれています。
新富町市場の古い絵葉書（Wikipediaより）
必食の郷土料理
地元住民ははもちろん、観光客も、台中市公有第二零售市場で食べ物を購入する人が増えてきました。 そのため、市政府はここ数年、特別な計画を立てて、市場の複雑な通路をわかりやすく説明した地図を作成し、有名な露店を案内しています。
王記菜頭糯米腸
台中の人々に親しまれている料理を販売するお店で、食べると子どもの頃を思い出します。
おすすめメニュー：菜頭粿+米腸+荷包蛋 NT$60（約¥240）
営業時間：6:30〜18:00
市場で最も人気のある料理です！
このお店で一番有名なのは、 菜頭粿（大根餅）+米腸（米のソーセージ）+荷包蛋（目玉焼き）の三品の組み合わせです。 台中で「今日は『三樣』（拼音: スァン ヤン）を食べに行きますか」と言えば、誰もがこのお店のことだとわかりますが、お店の名前を尋ねて「王記菜頭糯米腸」と言っても、どこのお店かはわかりません。 注文するときは、「『一組』(拼音: イー ズュー)でお願いします」と言えば、写真のような3品のプレートが運ばれてきますよ。
老賴紅茶
一番おいしい飲み方は市場の昔からの味です。
おすすめメニュー：老賴紅茶 NT$25（約¥100）
営業時間：7:30〜18:00
40年以上にわたる昔ながらの朝食の味。 実は、最初はフルーツの屋台だったのですが、創業者の賴成模さんが紅茶好きだったため、いつも屋台の横でバケツに入った紅茶を売り、自分で飲むだけでなく、お客さんや近くの屋台の人にも分けてあげていました。
このシンプルで無駄のない台中人の紅茶の作り方は、40年の歴史を持ち、最も身近な昔ながらの味として定着しています。 茶葉をゆっくりと煮出し、そこに大量のクラッシュアイスを加えます。 クラッシュアイスは時間と温度によってゆっくりと溶けていくので、少しずつお茶の甘さが変化していきます。
嵐肉燥專賣店
シンプルな食材で繊細な味わいです。
おすすめメニュー：肉燥丸仔飯 NT$70（約¥280）
営業時間：8:00〜16:00
1922年、専業主婦だった方が軽食の屋台を開き、情熱的な料理人として、お客さんを家族や友人のようにもてなしました。新鮮でシンプルな天然素材の手作り料理は、自分の母親の料理のように、親しみやすく、素朴で美味しいです。
Photo Credit: 嵐肉燥專賣店官方粉專
楊媽媽立食
市場でしか味わえない新鮮な味
おすすめメニュー：外帶珠寶盒 NT$1000（約¥3,980）
営業時間：8:00〜15:00
以前は「丸一鮮魚行（鮮魚店）」と呼ばれていましたが、店主の奥さんが料理上手で、新鮮な魚を安く手に入れることができるため、お客さんの要望に応えて徐々に料理店を開いていきました。コロナが流行する前は、海鮮料理を注文すると、その日に手に入る新鮮な魚を楊さんのお母さんが、その場で調理してくれていました。
コロナが流行り出してからは屋台内のスペースが狭いので、ソーシャルディスタンスを確保できず、テイクアウトのみとなっています。 しかし、テイクアウトも美味しいだけでなく見た目も美しいです！鮮魚を１つずつ選んで注文するだけでなく、楊さんのお母さんが厳選した、宝石のような7つの特別な食材のテイクアウトも選べます。
Photo Credit: 楊媽媽立食官方粉專
顏記肉包
3世代続く、伝統的で手頃な価格の料理。
おすすめメニュー：肉包 NT$35（約¥140）、辣抄手 NT$45（約¥180）、餛飩湯 NT$45（約¥180）
営業時間：8:00〜17:30
肉まんは皮がとても柔らかく、黑豬肉後腿肉內餡（黒豚の詰め物）もしっかりした味付けで美味しいです。 餃子の半透明の薄い皮は滑らかでありつつ柔らかすぎずとても美味しいです！中でも薄い皮にピリ辛のタレがかかったピリ辛餃子は必食です！ しばらく行っていないと懐かしくなるような場所です。
夏季限定の綠豆湯（インゲン豆のスープ）と一緒に食べるのがおすすめです。 スパイシーな餃子と冷たいスープが食欲をそそり、一日中満足できます。
小庭找茶
昔ながらの味に新しい風を吹き込む味の聖地です。
おすすめメニュー：相思粉粿 NT$60（約¥240）、凸餅冰淇淋 NT$55（約¥220）
営業時間：9:00〜17:00
店内は木で装飾され、ヴィンテージの小物が置かれており、昔ながらの台湾の香りが漂っています。
凸餅冰淇淋は、椪餅（ぽんびん）と呼ばれる中が空洞になった台湾の伝統的なお菓子に、タピオカとバニラアイスを組み合わせたもので、3つの異なる味の組み合わせが斬新で美味しいです！
もうひとつのおすすめデザートは、小豆と香り高い杏仁豆腐が入った台湾の伝統的なデザート「粉粿」で、程よい甘さで暑さを吹き飛ばしてくれますよ。 ネットだけでなく、テレビ局も取材に訪れるほどの人気ぶりです。
軽食以外にも、市場周辺では食料品やお菓子を買うことができます。 伝統的なお菓子屋さんでは、さまざまな種類のビスケットやスナックが売られています。 今でこそ、市場で売られているお菓子は箱入りで丁寧に梱包されていますが、私が子どもの頃は、ビスケットはビニール袋に入っていて、腕を突っ込んで取っていました。とても懐かしいです！
また、子どもが大好きなおもちゃ屋さんもあり、人形やロボット、車のおもちゃなどが、お店に入りきらないほど並んでいます。 私が子どもの頃、おもちゃ屋さんは宝の山のようなもので、夢が詰まっていました。今でも子どもの頃を懐かしむ為に前を通ってしまいます。
デパートのようにきちんとしたものではありませんが、衣料品や雑貨の屋台もあり、たまに足を運ぶと安くて素敵なヴィンテージアイテムがたくさん見つかります。
市場を後にする前にこのデザートを食べてください！
古早味紅龜粿 NT$40（約¥160）
「紅龜粿」は伝統的な米菓子です。もち米から作られ、紅麹で色付けされ、亀甲模様で仕上げられています。赤い色は幸運を、亀は長寿を象徴していて、お祝い事の時によく食べていました。小豆の餡が定番の味ですが、最近ではピーナッツなど別の味のものもあります。
緑色のものは「草仔粿」と呼ばれ、もち米とよもぎが入っていて、少し草の香りがし、細切りの大根、キノコ、エビ、ひき肉が入っていて、とても美味しいです。 以前は、祭壇のお供えによく見られたものです。
台中市公有第二零售市場
電話番号：04–2224222
住所：台中市中區三民路2段87號
営業時間：7:00〜20:00 (定休日：月曜日)
アクセス：台中火車站を下車後、中正路に沿って徒歩で約15分。
バス ：市區公車(9號、82號、201號、301號、303號、305號)に乗り「第二市場站」で下車。
