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雲林縣 梧北村 | 鉄の窓による地方創生

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1970年代、台湾の多くの家には泥棒防止のために鉄製の窓が設置され、職人たちは各家の鉄製窓に様々なパターンの細工を施しました。
この鉄製窓の細工が台湾独特の景観になり、現在の台湾の古民家を印象づける存在になっています。 しかし、その美しさとは裏腹に、鉄窓は錆びやすい鉄でできており、1枚の窓を作るのに20日もかかるので、時代の変遷とともに、美しい鉄製の窓は次第にステンレス製に変わっていきました。

梧北村について

梧北村は雲林縣(台湾中南部の農業を主体とする県)の海辺にあり、観光客がほとんど訪れない集落です。「梧北村」では、政府の地方創生プロジェクトにより、13個の鉄製の窓と住民の物語があいまって、平凡な農村が古民家と地元の生活を感じられる記憶の博物館になっています。


人気のある観光地ではないので、交通の便が悪く、標識も少ないため、Googleマップでも正確な位置を知ることができません。 場所を探すのに時間がかかりましたが、インターネット上の写真を見せたり、鉄製の窓について質問したりすると、地元の方が快く案内してくれました。
地元の老人が色々と話を聞かせてくれました。村の改修工事のために、いろんな人たちが次々と村を訪れ、外国人を招いてくれたと興奮気味に話していました。その話をするときの老人はまるで子どものように顔にしわを寄せて笑っていました。

それぞれの窓は住民の物語を表しています。他人にとっては小さな物語ですが、自分は人生の主役なのです。


兄弟愛と姉妹愛を表し、上の平和のお守りは家族への祝福を表しています。
村に到着すると、物語のある13個の鉄製の窓があちこちにあり、見落とさないように慎重に路地を歩きました。
よく見ると、鉄の窓にはほとんど手が描かれています。 窓を作る職人は、自分の手を使って、農業をする人、絵を描く人、詩を書く人など、一生懸命に働く村のすべての人を表現したいと考えています。
模様の違いから、それぞれの住民の物語が伝わってきます。また、窓の横には簡単な説明が書かれており、村を歩きながら梧北村のことをじっくりと知ることができます。住民の物語だけでなく、地元の特産品や地域の伝統、日常生活の物語などもあり、一つ一つの窓が村のみんなの歴史や記憶を表しています。
他人にとっては小さな物語ですが、自分は人生の主役なのです。
梧北村の住民にとって家は、住みやすい空間や環境というだけではなく、伝統的な職人技と古民家の融合で、住民の物語を記録・継承していくことを目指しています。


地元の特産品、ピーナッツと牡蠣
ここの家主はアマチュアの水墨画家で、
この窓は家主の作品をもとにデザインされました。

昔ながらのお菓子やスナックが並ぶ「おばあちゃんのミカン屋さん」は、住民たちの幼い頃の思い出の場所です。観光客が休憩するために、今でも飲み物が売られています。


詩人の陳山派の家で、壁には作品や気持ち、アドバイスなどが書かれています。
リノベーションにより、鉄製の窓にもデザインが施されており、特別感があります。

鉄の窓以外にも、壁や塀、村の隅々にもいろんな発見があります。注意深く見れば、同じ路地にいくつもの発見がありますし、ふと別の方向を見ると新しい発見があるかもしれません。まるで、注意深くゆっくりと人生を過ごせば、人生の美しさ気づけるということを教えてくれるかのようです。



何気なく見上げたり振り返ったりすると見えてくる、ちょっとしたサプライズ

そんな話もあったので、午後はずっと村を歩き回っていたのですが、たくさんの発見があったので、全く疲れを感じませんでした。この村を知り、そこに住む人々の真剣な姿を目の当たりにして、ふと「田舎の生活もいいな!」と感じました。
雲林縣を訪れる機会がありましたら、ぜひ梧北村にお越しください。

雲林縣口湖椬梧社區|梧北村

住所 雲林縣口湖鄉梧北村復興路144號(調天宮)
交通手段 レンタカーで近くまで行くのが一番便利です
公共交通機関 國光客運で「北港站」まで行き、嘉義客運に乗り換えて「宜梧」まで行きます。そこから徒歩で約5分のところに「調天宮」があります。
(平日と休日では運行スケジュールが違いますので歩ご注意ください)

jill

台湾台中出身のJillです。京都で一年間のワーホリ経験があります。台湾に帰ってからは台湾の面白いことをたくさん日本に発信したい思って活動しています!よろしくお願いいたします!

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